■レビューの対象物(例)■
「○○を対象にしなければならない」というモノは一律決められていないと思います。
下記は一般的な例です。
・見積結果
・プロジェクト計画内容
・プロジェクト進捗状況
・プロトタイプ(実現可能性調査結果の評価)
・各種設計書類
・コーディング結果
・テスト計画
・テスト仕様
・操作説明書類
他にもあるでしょう。
ここで大事なのは、「対象物」を直接持ち込んで確認することです。
設計作業者へのQ&AだけでOKを出すのではなく、対象物の内容(記述・表現された内容)で確認します。
また、レビュー対象物の内容確認の際に比較元情報を使用する場合があります。
これは「設計へのインプット」情報を指していますが、これらの情報もレビュー現場に持ち込んで、実物同志を直接比較することが必要になります。人(作業者)の記憶や考え方に頼るのではなく、その人の考えに過不足や思い違いがないか? そしてその考えがレビュー対象物に確実に反映されていることを、「実物」で確認するのです。
■レビューで検出しやすい事項■
レビューは、実際にマシン実行によって確認するテストにくらべて以下の事項を検出しやすいものです。つまり、テストではこれらの事項を検出し難いということになります。
少なくともテストを実施する前にこれらの事項をレビューで検出し対応しておくことが開発作業で必要になります。
・要件・機能・処理の抜け
・コーディング規則の不遵守
・要件・設計の欠陥
・インターフェース仕様の不正
■レビューの開始基準■
レビューの効果を確実に獲得するために、レビューの開始基準を満たした場合にのみレビューを実施することが必要です。
一般的なレビュー開始基準事例を示します。
・レビュー対象物のソース、仕様の先行作業成果物は、前工程のレビューに合格済みでベースラインが設定されていること
・テキスト文書はスペルチェック+誤りを修正済みであること
・レビューのモデレータが事前確認した際に著しい品質問題や誤りがないこと
・初期作業成果物は関連する標準、テンプレート、書式の要求(があれば)に合っていること
・文書またはコードにはページ、行番号等の識別子が設定されていること
・参加者全員がレビューの訓練を受けていること
レビューを開始してみたが、レビュー対象物の質が著しく悪い場合には途中で取りやめにする、などの工夫も必要です。
メンバーに「開始基準を守らないとだめなんだ=自分でしっかり仕上げてこなくちゃ」という認識を獲得でき、さらにレビューに参加してくれている要員の無駄時間を浪費しないで済む、などの効果も期待できます。
■レビュー参加者■
レビューへの参加者は、レビューの目的や対象成果物によって適切な人を選択する必要がある。
・成果物を作った作業者(必須)
・プロジェクトメンバー
・管理者(進捗管理中心)
・特定分野の専門家、有識者
(業務知識・特定のアプリケーションドメイン等)
・顧客、エンドユーザ
・営業担当者 他
■効果の出るレビューへのヒント■
・上記の中にも様々なヒントがある。これらのことを忠実に実施できるように、レビュー進行役の役割が欠かせない。 目的をはずさない前提で、活発かつ前向きな意見交換を促す。 |
| ・目的と対象物を事前にはっきりさせること。 |
| ・目的を達成するために必要な要員をレビューアとすること。好き嫌いではない。 |
| ・レビューの参加者は最低2名、最大6名程度。それ以上になれば「黙って聞いているだけの要員」が多くなり、ロスが大きい。 |
・レビュー対象物は事前配付が原則。事前配付前までに実作業者(成果物の作成者)が自分なりに内容をチェックするのが当たり前。 レビュー実施前までにレビューアが一通り目を通し、問題点や質問事項を整理しておく。 それらの事前準備が十分可能な期間を見込んで、事前配付すること。 時々「事前ならいいのだろう」ということで、レビュー開始30分前に配付する人がいる。 本人は本気なのかも知れないが、本質を理解できていない証拠であり、勉強不足。別途一から指導が必要であろう。 |
・誤字脱字のたぐいばかりがレビューで指摘されるようであれば、レビューを一度取りやめ、延期したほうがよい。 作業者が自分の作業を事前に見直していない証拠。 |
・レビュー対象物が大きい場合、 レビューを分けて実施する、レビューア毎に対象範囲を分割してレビューする(ラウンドロビン)等の工夫が必要。 |
・レビューの実施時間は最大1時間~1時間30分程度。 それ以上のレビュー実施は集中力を欠き、効果がうすいばかりか、ロスも大きくなる。 |
・正式なレビューで「~はどうしようか?」的な検討をしているようでは、効果は期待できない。その場合は中止・延期した方がよい。 正式なレビューはどちらかといえば最終的な確認儀式とする。 つまり、それまでに少人数での非公式レビューや相談、問い合わせ等のコミュニケーションにより内容をしっかり詰めておくことが必要。 これらの途中過程が効率的な開発を生む。 |
| ・レビューで指摘された事項に対しては、修正結果が他の部分に影響していないか(デグレードがないか)を含めて、再レビューを実施する。 |
| ・他のグループとの取り交わし事項は書面に残し、双方メンバーで確認・保管する。 |
| ・レビュー結果を記録に残し、傾向分析などにより以降の設計作業へフィードバックをかけることにより、設計作業による品質の作り込みを促進する。 |
■適切なレビュー運営の適切な指標と実績値■
レビューを成功させるために、これまで発表されてきた実績指標(+数値)の代表的なものを記載しておきますので参考にしてください。
・レビュー時間:1回2時間以内にする
それ以上になるレビューは数回に分けて行う
・レビューアが疲れているときは実施を避ける
・参加者は3~5名(多くても7名まで)程度に抑える
それ以上ではロスだけが多くなる
・文書類なら1時間に3~4ページ程度
コードなら1時間に150~200LOC程度
の速度でレビューするのが適切
※これらの数値は参考にするのまではよいですが、絶対視しないように。数値だけで判断できるような機械的な対応は避けるべきです。数値では表現できない”内容”が重要ですのでご注意ください。